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凡人として生きるということ 押井 守

 今回のフォトリーディングのターゲットは、押井 守さんの『凡人として生きるということ』です。

凡人として生きるということ
凡人として生きるということ (幻冬舎新書 (お-5-1))

昨日の鈴木 敏夫さんに続き、日本のアニメ界を引っ張る
押井 守さんの登場です。この夏公開されている、
「ポニョ」や「スカイ・クロラ」があるということで、
タイミング的に興味があったので、読んでみたくなりました。

本書は、オヤジ論から格差論まで、7つの●●論で構成され
ています。これらは、押井さんが、映画の中で伝えることが
難しかったメッセージなのだそうです。特に最初の「オヤジ
論」は2008年8月現在公開中の「スカイ・クロラ」と
リンクする内容
ですので、この映画に興味のある方は是非と
も読んでみて下さい。

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目 次


第一章 オヤジ論――オヤジになることは愉しい
第二章 自由論――不自由は愉しい
第三章 勝敗論――「勝負」は諦めたときに負けが決まる
第四章 セックスと文明論――性欲が強い人は子育てがうまい
第五章 コミュニケーション論――引きこもってもいいじゃないか
第六章 オタク論――アキハバラが経済を動かす
第七章 格差論――いい加減に生きよう


概要と感想



押井 守さんと言えば、古くは「うる星やつら」、代表作の
「AKIRA」、そしてマトリックスシリーズに多大な影響
を与えたという「攻殻機動隊」と、世界に誇れる日本アニメ
の巨匠。その押井さんの本のタイトルが「凡人として生きる
ということ」なのですが、「天才が何言ってんの!」的な
突っ込みを入れたくなりませんか?(笑)

ですが、押井さんご本人は「自分も含めて天才なんていない
と言います。押井さんがアニメの仕事をずっと続けてこられた
のは、単純に、全く「飽きなかった」からで、なにも特別な
ことではない、と言っています。本書では、「本質を見る
ことの重要性を繰り返し言っているのですが、仕事の続ける
ための本質はまさにそこにあるのでしょう。これは「大好き
なことを仕事にする」の別の表現だなと個人的に思います。

本書で最も気に入ったのは、最後の「格差論」。
「人間はみな平等であるべき」という原則にこだわりすぎる
とスターリンやポル・ポトのようになってしまう危険性を
指摘し、原則に拘りすぎず、いい加減さを残した社会が
良いのではないか?としています。押井さんの個人的な
考えとして、5%の優秀な政治家が、残り95%の凡人の
ために政治を行う的なのが好ましい姿、とありました。

これはなかなか思い切ったことを書くもんだと思いました
が、実は蟻の世界でもこの5対95というのは成り立って
いるそうで、働き蟻も5%しか働いてないのだとか。
さらに興味深いのは、その5%の働いている働き蟻(笑)
だけを集めて巣を作らせると、なぜかそれまで働いてた
やつが急に働かなくなり、やっぱり働くやつの黄金率は
維持されるのだとか。これが自然の摂理かぁ!と唸って
しまいました。

また、格差を声高に主張する人たちの根底にある感情は
「妬み」ということで、これまた本質に切り込みすぎ(汗)
僕も全くの同意なのですが、著名人がこれ言ったら
ヤバイんじゃないの?とも思いましたが、映画監督なら
この手の痛烈な批判も仕事のうちかもしれません。

他にもいろいろと心に残る言葉がありましたので、
最後にご紹介します。

●若さに価値などない
●「ウソをついてはいけない」というウソ
●若いうちの失敗は許されない
●社会を動かす自在感を持とう
●人間は自由であるべきという欺瞞
●美学をもって仕事にあたれ!
●失敗も挫折もない人生は面白くない
●セックスは本能的行為ではない
●引きこもりを許す豊かな社会
●正体を明かしてこそ手に入る社会性

とまぁ、本質に切り込むからこそ、心に響いたり
刺さったりするのでしょう。押井さんのファンは
もちろん、目次をみて1つでも興味をもった方なら
間違いなくオススメできる1冊です。

凡人として生きるということ
押井 守

凡人として生きるということ (幻冬舎新書 (お-5-1))
他力本願―仕事で負けない7つの力 アニメはいかに夢を見るか―「スカイ・クロラ」制作現場から 押井守ワークス+スカイ・クロラ The Sky Crawlers (別冊宝島 1546 カルチャー&スポーツ) キネマ旬報 2008年 8/1号 [雑誌] スカイ・クロラ ナビゲーター
by G-Tools


ここまで読んでくれて、ありがとうございました。
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