フォーカス・リーディング
副題は、「「1冊10分」のスピードで、10倍の効果を出す いいとこどり読書術」です。
キャンセル待ちが出るほどの人気速読講座の内容がついに本に!
速読の技術に興味ありまくりの僕としては、「読むしか!」。
ということでアマゾンで発注したものの、あまりの人気に在庫
切れということで、到着まで発注から1週間以上かかりました。
「まだ来ないのか!?」と読む前から心に波紋を作りまくって
くれた1冊、内容はどうだったんでしょうか?
今日もクリック感謝です
目 次
・はじめに
・講座を始めるに当たって
○理論編
第1講 あなたがはまりがちな"読書のワナ"
第2講 読書に何を求めるのかをはっきりさせる
○鍛錬編
第1講 速読は体育会系のノリで身につける
第2講 「体」を極める
第3講 「技」を極める
第4講 「心」を極める
○実践編
最終講義 フォーカスの力を最大限引き出す読書術
おわりに
[巻末付録]フォーカス・リーディング補助教材
参考文献リスト
概要と感想
■フォーカス・リーディングの基本コンセプト
なぜ本を読み、そしてなぜ速読が必要なのか?それを考えたこと
がありますか?
本書「フォーカス・リーディング」は主として特にビジネス書
の読者向けに書かれた本。僕も含め、ビジネス書の読者は、本を
読むことで、「自分を成長させたい」「仕事で成功したい」とか
思っている人が大半だと思います。しかし、これだけ多数の本が
出版され、何十万部というベストセラーが出ているにもかかわら
ず、それを読んで成果を出すことが難しいのか?
本書では、読書の効果を以下の数式で表しています。
読書の投資対効果=(著者の力×読者の経験値)÷読書のコスト
×読者のビジネス力
1冊の本で利益が倍になったというような場合、一番考えられる
成功の理由は、最後の「読者のビジネス力」が優れている、とい
う理由です。ビジネス書を書くような立場の方々は、既にこのビ
ジネス力が強い状態なのですが、読者はそうではありません。だ
から本の内容をすぐに活かすことが難しいのです。そして、これ
は一朝一夕で身に付くものではありません。
上記の数式で、他の要素で読書の効果をあげようとすると、他に
は「読者の経験値」「読書のコスト」のいずれかへのアプローチが
必要になります。本書は、後者の「読書のコスト=読書時間」を
短くすることで読書の効果を高めようというのがコンセプトです。
読者の経験値もすぐに高まるものではないので、最も手っ取り早く
読書の効果を上げるためには、「速く読む」ことにフォーカスする
のがベスト、というわけです。
■速読はスポーツだ!
目次を見てもわかるように、体育会系のノリが必要らしいです。
どのあたりがスポーツなのかというと、「目の動き」です。本書
に付属する練習をするとわかるのですが、普通、人間は、自分の
おもったとおりの場所に視点を固定したり、移動したり、という
ことが思った以上にできていないもの。それを、練習、しかもか
なりの量稽古をすることで、自由自在に動かそうというのが、ま
さにスポーツなノリなんです。練習方法もちゃんと考えられてい
て、自分の段階に合わせて、ステップアップできるようになって
います。
呼吸法まで含めて、目をしっかりと鍛える。しかも反復練習。
まさに速読はスポーツ、ですね。
他にも本を読む目的を決めたり、目次や小見出しなどを使って
全体構成を把握したり、耳からも学ぼう、という内容は、他の
速読本とさほど変わるところはありませんでした。ただ、本の
読み方として、1回で本の内容をマスターしたい場合とか、
じっくり取り組みたい本とか、本によっていろいろな読み方を
提示しているのには好感が持てました。
耳勉については、筆者のサイト「速耳倶楽部」で音声ファイルの
速度変換ソフトが配布されているとのこと。興味ある方はどうぞ。
無料版もありますぜ。
巻末には、「フォーカス・リーディング補助教材」がありますの
で、しっかりと練習すれば、1冊10分は困難ではないように思
います。そういう意味で至極真っ当な速読本と言えましょう。
楽して速読したい、という方には不向きだと思いますが、体育会
系のノリで速読をマスターしたい人にはピッタリの1冊。
フォーカス・リーディング 「1冊10分」のスピードで、10倍の効果を出す いいとこどり読書術
寺田 昌嗣
by G-Tools
惜しいのは、筆者はフォトリーディングを含めた、いわゆる右脳
速読を否定していること。ページは見たものの、ちゃんと読めた
という意識が無いのに、「あなたの潜在意識には入ってます」
なんていうのは無意味、としています。
確かにその通りなんですが、右脳と左脳を連携させた活用をマス
ターするには練習が必要なんですよね。耳から入った情報を絵に
書いてみたり、その逆をしてみたりする練習をしていかないと、
普通はなかなか右脳の情報をうまく引き出せないもの。このあた
りは目の訓練とさほど変わらないように僕には思えるのです。
そこまで踏み込んでくれれば、完璧なのになぁ。
ここまで読んでくれて、ありがとうございました。
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お読みくださり、そして感想を書いてくださり、本当にありがとうございました!
私の言いたかったことを的確に拾い上げてくださって、感激です!
ただ誤解が1つ。。。私の否定している速読流派の中にフォト・リーディングは含まれませんよ。(^^;
あれって読書技法、読書を通じた学びの技術であって速読ではありませんからね。
#ただ、インストラクターの中には、あたかもフォトリーディングが速読であるかのようにして煽っている人がいますので、それはオカシイと思ってます。
神田さんもフォトリーディングの「フォト」の部分について
「写真のように情報が写し取れると思ったら間違い。単に、後で読む際のストレスをとるための“あたり”をつけるに過ぎない」
というように語っていますし。このあたり、まっとうな考え方だと思います。
ちなみに、私はフォトリーの源流である加速学習原理に基づく英語学習法の本を書いたことがあります。
私の速読も加速学習の影響を大きく受けています。(あと、アドラーですね。)
だから、読書論については「目新しいことはない」はずです。(^^)
あ、そうだ。眼作りはフォトリーのアクティベーション系の作業にも有効ですよ。ぜひ、フォトリーダーの皆さんにも、さわりでいいのでやってみて欲しいところです!
ともあれ、いただいたご意見、本当にうれしい内容でした。
ありがとうございました!!
●●
私も右脳を否定されているところが気になりましたが
こちらで寺田さんのコメントを拝見しすっきりいたしました。ありがとうございます。
私もフォーカスリーディング読みました。
そして読後の感想もほぼ同じでした。
私もこの本はフォトリーディングを否定しているとブログに書いてしまい、寺田さんにコメントを頂いた口です。
フォトリーダーのLuckyUSさんに質問なんですが、練習用の巻末付録はやってみましたか?身になりそうですか?
私は個人でこういった速読訓練を、本を見ながらやるのは正直難しいと感じています。
コメントありがとうございます。そしてお返事が遅くなり申し訳ありません。
僕も神田さんがそうおっしゃっていることは知っていますし、今回のコメントでの寺田さんのご意見で非常にスッキリしました。
フォトリーは写真のように頭に入るということが強調されすぎる感じがあるのは事実ですね。
ただ、個人的な経験では、意図的ではないのですが、本のページそのものを思い出す、ということは実際にありますので、全く意味の無い行為でも無い、というのが僕の考えです。
眼作りについては、巻末の教材でやってみましたが、途中から難しく感じたので、まだまだのようです。この練習は速読したい人には非常に有効だと思います。
コメントありがとうございます。
そして、返信が遅くなり申し訳ありません。
僕も寺田さんのコメントですっきりしました。
本書で唯一ひっかかるのは、フォトリーに
対する扱いが右脳速読に含まれているかの
ように感じてしまう部分でしたので、疑問が
解消されました。
筆者自らコメントしていただけるというのも
とても嬉しいですよね。
お返事ありがとうございました。
ですよね、なかなか一人で習熟するまでやり通すのって難しいですよね。みんなスンナリ練習できているのかと少し不安に思ってしまいました。
私もフォトリーディングの講座を受講したんですが、今も自分の読書術をもっともっと洗練させたいなと思っています。
丁寧な暖かいお返事ありがとうございました。
私は何人かのフォトリーインストラクターの知人・友人がおりますが、彼らの反応も様々です。
「全然、フォトリーの批判とは思わなかった」という人。
「耳が痛いなーと思った」という人。
そもそも「フォトリー」を「速読」ととらえること自体、私は反対なんで、そのあたりの認識の差なのかな?と思いました。
(潜在意識に残るというのは、前述のとおり学習などでも活用することですので、否定するつもりはありません。)
あと、眼のトレーニングが「やってられないよー」というのは、確かに痛いところです!(^^;
まぁ、ぼちぼち眼の感覚に「気づく」ことを大事にして取り組んでもらうっていうところですかね。
眼の使い方、意識の使い方をちょっとずつ大事にしながら読書をしていただくだけでもいいのではないかと思っています。
てなことで、また。
●●
再度のコメントありがとうございます。
フォトリーのインストラクターの反応も
まちまちというのが面白いですね。
眼は、思った以上に意図的に動かない
ものですから、トレーニングが有効な
部分ですよね。そう考えれば視野を広げ
たり、見たいポイントに確実に眼を向ける
本書のトレーニングは価値がありますね。