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【18ヶ月で2倍】過剰と破壊の経済学 池田 信夫

「半導体の集積度は18ヶ月で2倍になる」

インテルの創業者ゴードン・ムーアが1965年に提唱したこの
「ムーアの法則」は、それから40年以上経過した今でも有効
に機能している。そして今後10年以上は続くと見られている。

過剰と破壊の経済学 「ムーアの法則」で何が変わるのか?
過剰と破壊の経済学 「ムーアの法則」で何が変わるのか? (アスキー新書 042) (アスキー新書 42)

勝間さんのこの秋に読んでみたいビジネス書ということで、
早速読んでみましたが、その内容は経済、ITに留まるもの
ではなく、これからの時代に何が大切なのか、自然と考えて
しまう奥深い一冊でした。

インテルの最新技術では半導体の中の線と線の間隔は、
なんと分子5個分しかないのだそうです。ムーアの法則も
この物理的な限界は超えられないので、あと10年ほどで
終焉を迎えると予想されていますが、はたしてこれからの
時代をどう生きるのか?興味のある方は是非一読あれ!

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目次



第1章 ムーアの法則とは何か
第2章 ムーアの法則で何が変わるか
第3章 ムーアの法則にどう対応すべきか
終章 孤独な世界の中で


概要と感想



■ムーアの法則がもたらすもの

それは、情報処理コストの徹底的な低下。そこで注目すべき
なのは「ボトルネック」。PCでは時間のかかるキータイプ
がWindowsに代表されるGUIとなり、インターネット
では、当初は帯域が不足していたが、ADSLや光回線の拡大
コンテンツへと移り変わってきた。

こうしたボトルネックを解消していくことで発展が加速する
という考え方は、『ザ・ゴール』の考え方そのものですが、
実際の社会の中でそのボトルネックを示してくれる本はほと
んど無いので、本書の有意なところのひとつだと思います。

上記に挙げた以外にも、著作権やデジタルテレビに関してなど
池田さんのボトルネックへの切り込みが圧巻です。


■日本は何故世界で取り残されたのか
ムーアの法則が有効な限り、先端技術もあっという間に陳腐化
し、量産効果でコストが劇的に低下する。この過程の中でコモ
ディティ化したものが量産されるのだが、この量産競争に勝つ
には資源の集中が必須。ここではひとつのコモディティに資源
を集中させる必要があるが、垂直統合型の日本企業、特に家電
メーカーはこれができずに、世界市場の中では取り残されると
いう結果を生んでいる。

DRAMが最もわかりやすい例として挙げられているが、かつ
て、隆盛を誇った日立、東芝などはDRAMの開発では先行し
たものの、海内勢の量産の前に今ではエルピーダメモリ1社と
なってしまいました。

こういったコモディティ化したものに集中する企業と、それらを
組みあわせて製品化する企業に産業構造が「水平分業」していく
のが、ムーアの法則時代の流れ。それを見誤ると、いかに技術力
があっても世界の先頭を走り続けることは困難なのだという
モデルは非常に説得力があります。

また、日本の携帯メーカーが日本の中だけでしか生き残れない
理由なども、なるほど!と思いましたよ。と同時に、池田さんが
「パラダイス鎖国」と呼ぶ、日本独自の参入障壁の高さが、かえ
って日本メーカーが海外で通用しなくなる構造を産んでいるのが
皮肉というか。


■混迷の時代を生きるために
 ムーアの法則により、情報処理コストが下がり、ITの発達で
資本が国境を越えて利益を求めて大移動する時代。そして、イン
ターネットで人々がフラットに繋がっていくという時代。

これから先の世の中では、人々はネット上だけの繋がりでは孤独
になっていってしまうと池田さんは言う。そして人類はこの孤独
に耐えられるのだろうか?という問いで本書は幕を閉じる。

欧米では、個人主義、民主主義は宗教という土台のもとに構築さ
れてきており、人間が個人として拠って立つベースが存在してい
る。これは今発展途上にある中国やインド、さらにイスラム諸国
も同様だ。個人として孤独な環境にあっても、宗教という思考の
ベースが確立していればそれに耐えることもできるでしょう。

また、ネットの発達により、逆に今まで以上にリアルな人間関係
の重要性が浮き彫りになってきた、とも言えると思います。同時
に、宗教的な基盤を持たない日本人の多くは、より個々人の中に
拠って立つものを見つけることが必要になってきたと思います。

それが、スピリチュアル、潜在意識などの、目に見えないものの
重要性への回帰なのかもしれません。また、サドベリースクール
のような、本当に自分がやりたいことを自分の力で見つけていく
ような教育が、1つの選択肢として求められる時代になったのだ
と思います。その大人版が、本田健さんのいう「ライフワーク」
を中心とした生き方なのではないでしょうか。


ということで、池田さんの、「孤独に耐えられるだろうか?」と
の問いへの回答は、僕は楽観的に「耐えられる生き方がある」と
いうものになりました。

過剰と破壊の経済学 「ムーアの法則」で何が変わるのか?
池田 信夫

過剰と破壊の経済学 「ムーアの法則」で何が変わるのか? (アスキー新書 042) (アスキー新書 42)
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みなさんも、本書の問いに、自分なりの回答を見つけてみては
いかがでしょうか?


時間の関係で、多少短めに切り上げてしまいました(汗)
ここまで読んでくれて、ありがとうございました。
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過剰と破壊の経済学
Excerpt: 過剰と破壊の経済学 「ムーアの法則」で何が変わるのか? (アスキー新書 042)
Weblog: 蔵前トラックU
Tracked: 2008-10-22 01:00