すべての日本人に贈る、新しいお金・経済の仕組みを提案する1冊。
日本人が知らない恐るべき真実 マネーがわかれば世界がわかる

『日本人が知らない恐るべき真実』というタイトルからわかるよう
に、日本の財政の状況、世界の金融の実態、そして貨幣という経済
システムの問題点が次々と明らかにされます。
ただ、本書がすごいのは問題の提示だけにとどまらず、今後どうい
うことをすれば日本、そして世界が良くなっていくのかの、実現の
可能性が見える具体的な方法で提示している点。朝倉 慶さんとも
違う可能性を見出しているのも注目。
これまでお金・金融・経済に目を向けてこなかった人は、目からウ
ロコが落ちまくること間違いなし!
今日もクリック感謝です

目次
第1章 日本国破産 今そこにある危機
第2章 グローバリゼーションはユートピアを実現するか?
第3章 国際金融資本に支配される世界
第4章 お金の秘密
第5章 もうひとつのお金は可能だ
概要&感想
■日本は既に財政破綻している!?
・2008年度予算では収入約58兆円に対し支出が83兆円
・債務残高のGDP費は181%先進国中ダントツのワースト
・日本の資産総額から借金を引いてもマイナス、つまりは日本の
バランスシートはマイナス。しかも3回連続。
企業なら3年連続でマイナスなら破産。ということは日本が
民間企業ならもう破産状態
日本が破綻したらどうなるのか?
IMFの支援を受ければ、こうなる(抜粋)
・消費税は20%
・年金は30%カット
・課税最低額が100万円になる
・公務員の退職金は100%カット
■グローバリゼーション
グローバリゼーションを推進する国際機関は誰のもの?
WTO(世界貿易機関)
目的:関税を限りなくゼロにし、世界中で自由競争をもたらす
WTOの原則に従うと、
貿易に関する国内法などは全てWTOに報告しなければならない
輸出入について、関税以外の貿易制限を採用できない
といったことを各国がしなければならなくなり、自国の弱い産業
を守ることが難しくなります。
また貿易国同士の問題解決のための「紛争解決機構」にも問題が。
なんとWTO協定のみが法的な根拠となるため、人権や環境など
は一切無視されるとのこと
過去の判例では、安全性の問題で関税をかけたEUが高額な報復
関税をかけられるとか、ウミガメ保護のための輸入制限に対し
ウミガメ保護の法律がWTO違反であるとの判決が出たとか。
■お金の秘密
利子の問題点
富めるものはますます富み、貧しい人はますます貧しく
利子により、無限の経済成長が強制される
しかし、地球は有限なのだから、無限の成長はありえない
効率化の問題点
融資された利子率以上の収益が見込める事業しか投資の
対象とはならない。しかし、収益が見込めなくても社会的に
必要な事業も存在する。後者の事業をすればそれが債務と
なってしまう可能性大。
■もうひとつのお金“地域通貨”
地方自治体が発行する「地域通貨」が問題を解決する!
過去の成功事例
経済学者シルビオ・ゲゼルがオーストリアのヴェルグルで
「労働証明書」という地域通貨を実際に運用。13.5ヶ月
間だけだったが町は整備され、他の自治体も導入しようとした
オーストリア政府により、通貨体制を乱すとして発禁処分に。
地域通貨のポイント
銀行ではなく、自治体が発行する
一定期間をもって、価値が減少する仕組みを組み込む
⇒ 価値が減少することで、お金を貯めることが困難に。
貯める、よりも使うことが優先され、お金が循環する
かなり骨太な内容の本書。第3章の国際金融資本の部分は、おそら
くは『金融の仕組みは全部ロスチャイルドがつくった』と重複する
部分かと。
日本の現状のヤバさ以上に、IMFやWTOなどの国際機関の予想
外のヤバさに驚きました。また、アメリカのFRBも国家機関では
ないというのも初めて知った事実。こんだけ有名でもその実態を
ちゃんと知らないってのは勉強不足以外の何者でもなかったなと
反省しちゃいました(汗)
最終的には、価値が減少する地域通貨の発行が日本を救う、という
論点に行き着くわけです。「貯める」というお金の特性そのものを
無くしてしまう、というのは驚きでした。よく考えてみると、現在
の貨幣のシステムも人間が考えて作り上げてきたもの。これ自体を
変えてしまう、というのも十分ありえるわけで、前提自体を大きく
変えるチカラというのがいかに重要かを思い知らされた感じ。
また、地域通貨は地方分権を推進したり、子育て中の専業主婦の地
位を向上したりできる可能性すらも秘めているというのは驚きでは
ないでしょうか。このあたりの詳細は本書をご覧下さいね。
天下の愚作といわれた「地域振興券」についての言及もありました。
あと一息の工夫で、天下を救ったかもしれないなんてチョット意外!
「お金は天下のまわりもの」といいますが、お金をまわすことを念
頭においた地域通貨。その可能性の大きさを実感した1冊でした。
日本経済の将来に明るさを見出したい方はぜひどうぞ!
日本人が知らない恐るべき真実 マネーがわかれば世界がわかる(晋遊舎新書 001) (晋遊舎新書)
安部 芳裕

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あとは、実際にどう展開するか?が課題のようです。
ワークライフバランス自体も変えてしまうかもしれない地域通貨の
今後の動向をチェックしたくなりました。
ここまで読んでくれて、ありがとうございました。
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