ただきます。昨日も気になる1冊としてとりあげた、『精神科医は
腹の底で何を考えているのか』という、いかにも興味を引きそうな
タイトルの1冊です。
精神科医は腹の底で何を考えているか

本書は、春日先生ご自身を含め、さまざまな精神科医が登場します。
エクソシスト医師、無責任医師、赤ひげ医師、世間知らずな医師な
ど、総勢100人に及びます。
精神科医の仕事が垣間見える1冊。精神科に興味を持つ人はもとより
カウンセラーやコーチなど心理面を扱う人に読んで欲しい1冊です。
今日もクリック感謝です

目 次
第1章 赤ひげ医師・熱血医師・愚かな医師
第2章 相性ということ
第3章 技術と人柄
第4章 優しさと支配
第5章 物語・心・世界
第6章 偽善と方便
第7章 幸福・平穏・家族
概要&感想
■■登場する100人の医師(超抜粋)
精神科医が、普段どういう風に患者に接し、その内面ではどういう
ことを考えながら治療に従事しているのかを、豊富な事例でわかり
やすく紹介したのが本書です。100人の医師というのは多少大げ
さなところがあり、春日先生が、さまざまな患者に対して抱く、
ご自身の視点を1人の医師として登場させているところもあります。
精神科医といっても、さまざまな人がいて、そして患者もさまざま
だということが、想像はできても、実態はさっぱりわからないもの
ですが、本書を読んで、その実態に触れることができました。
クスリの処方ひとつをとっても、実際には非常に難しい、というの
も初めてわかりました。1回くらい話を聞いただけで、患者の状態
を見切れるものではないし、ましてや、他の医師からの引継ぎの患
者の場合など、それまでの経緯があり、患者が「このクスリは効く」
などと思い込んでいる場合もあるそうです。
そして、内科や外科と違って、患者がクスリを飲むかどうかもわか
らない、ということもあるそうです。なんか、クスリって出された
ら飲むものと思ってましたが、そういう常識は全く通用しないんで
すね。患者が本当のことを言っているのかどうかもはっきりしない
状況で処方をしなければならない、というのは相当なプレッシャー
になると思われます。そのプレッシャーに対抗して医師は赤ひげや
エクソシストになってしまうのかもしれません。
また、本書を読んでいて、「鬱」に対して誤解していた部分に気が
つくことができました。僕はこれまでのIT業界の経験から精神科
に通うと、治ってもぶり返すことが多いという認識を持っていまし
た。でも「ココロの風邪」は、そのほとんどがクスリですっぱりと
治ってしまうことが多いそうです。そして、よく考えたら、普通の
風邪もクスリで治った後、1年後にまたかかっても、「ぶり返した」
とは言いませんよね。「ココロの風邪」もおんなじに考えれば良い
のに、なぜか、1年後だとぶり返した、と勘違いしていました(汗)
体質的にかかりやすい人もいるようなので、ほんとに身体の風邪と
同じように考えれば良いようです。
本書を読んでいると、何が幸せなのか?と考えてしまいます。
何かの強いストレスから逃れるために精神的にまいってしまった人
に、外的な環境をかえずに、クスリで疾患を治してしまうことは、
果たして本人にとっては良いこと、幸せなことなのでしょうか?
はたから見て、狂気に見えたとして、本人にしてみれば、そうする
しかないような状況というのもあるのかもしれません。他人から
見れば、100%妄想としか思えないもので、本人には生きていく
上でのココロの支えであることもあるかもしれません。それを、
妄想だから止めろと強制することが本人の幸せになるのでしょうか?
こういう思いが、最後の医師となって現れていると思います。
精神科医は腹の底で何を考えているか
春日 武彦

関連商品
貧困ビジネス (幻冬舎新書)
人はなぜ怒るのか (幻冬舎新書)
なぜグリーン車にはハゲが多いのか (幻冬舎新書)
大麻入門 (幻冬舎新書)
狂気の偽装―精神科医の臨床報告 (新潮文庫)
by G-Tools
■関連本
問題は、躁なんです 春日武彦
【三毒追放】人はなぜ怒るのか 藤井雅子
ここまで読んでくれて、ありがとうございました。
にほんブログ村 本ブログへ