「やる気がないからダメなんだ!」
こういうことを言う上司って、周りに1人くらい思い当たりませんか?
本書『社員のモチベーションは上げるな!』の著者で、経営コンサ
ルタントの宋文洲さんは、こういう言葉を使う上司は、
「ダメ上司だと断言できる!」と言っています。
なかなか手厳しいですね(汗)
しかも、モチベーションとかやる気にこだわる会社ほど、業績が悪
かったり、潰れそうな会社ほど、精神論が横行するそうです。
「喉の渇いていない馬を川に連れていっても、水を飲まない」
これは、やる気のない人に無理やり何かを仕向けてもどうしようも
ない、という例えです。上司の仕事は、やる気の有無に関わらず仕
事をさせて、そして結果を評価することであって、やる気を出させ
るのは仕事のうちに入らない。宋さんは、そう主張しています(汗)
では、なぜ「モチベーションを上げなさい!」と言ってはいけない
んでしょうか?
「モチベーション」って言葉は知っている方がほとんどだと思いま
すが、では、その正確な意味はご存知でしょうか?
「モチベーション」=「やる気」
と思っているなら、ヤバイ!です。
「モチベーション」の意味は、「人間の内在的な動機付け」です。
この「内在的な」というのがポイントで、つまりは、本人が進んで
やろうと思わない限り、本当のモチベーションにはなりえない、
ということですよね。そして、やる気が入るスイッチは、千差万別
で、お金の人もいるし、やりがいかもしれないし、家族を養おうと
か、子供のためという人もいるでしょう。
面白いことに、やる気がなくて結果も出さない人の給料を2割程度
カットしても、やる気に変化のないことが多いのだそうです。今の
豊かな日本では「仕事が無い」となっても、ほとんどの人が生きて
いける社会が出来上がっています。
これだけ失業率は上がっても、実は福祉や、3Kと言われる仕事に
は多くの日本人が敬遠していて、外国人が職についているというこ
とからも、いかに日本が豊かなのかわかると思います。
基本的に安心・安全な社会では人間は「やる気」を失うものなんで
すね。今、選挙で「安心」がキーワードになっていたりするし、多
くの人がそれを求めていますが、実は結構危険なことなのかもしれ
ません。そんなことを考えさせられる本でした。
やる気が出ない、モチベーションが上がらない、そんな風に考えて
しまうあなたに、ピッタリの1冊、是非どうぞ!
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本書に、「給料分の仕事はしなきゃ」というフレーズがありましたが、
「銀英伝」のヤンを思い出しましたよ(汗)
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