副題は「いかに働き、いかに学ぶか」です。
ウェブ進化論の梅田さんの最新刊ということで買いです。
ウェブ進化論ではネットの概念を「こちら側」と「あちら側」
という言葉で表現したことが記憶に新しいです。
この『ウェブ時代をゆく』では、ウェブというインフラが、
僕たちの仕事・人そのものに生にどういう影響をもたらすのか?
という視点から書かれています。
そして、その視点はあいかわらず「オプティミズム」
つまり楽観主義的な立場からのものでした。
我々がウェブというインフラをどう使い、いかに生きるのか?
その指針のひとつとなるのが本書だと思います。
今日もクリック感謝です
■目次
序章 混沌として面白い時代
第1章 グーグルと「もうひとつの地球」
第2章 新しいリーダーシップ
第3章 「高速道路」と「けものみち」
第4章 ロールモデル思考法
第5章 手ぶらの知的生産
第6章 大組織vs.小組織
第7章 新しい職業
終章 ウェブは自ら助くる者を助く
概要紹介
ウェブというインフラは、
「誰もが今までよりも簡単に欲しい知識を得ることができる」
という「学習の高速道路」ともなった。
それまでは専門書などで学ぶしかなく、一部の人だけが
得ることができた知識をより多くの人が学べるようになった。
だが、誰もが高速道路に乗れるようになることで
プロ一歩手前レベルまで簡単に学習できるようになった、
ともいえる。この現象は各分野の知識を知る人を大幅に
増やすことにもなった。が、それを仕事とするには一歩抜きん出る
必要があり、その競争が激しくなったとも言える。
これを「大渋滞」と表現している。
本書では、その「大渋滞」を抜けるための2つの方法を
「高速道路の先の高みを目指す」と「けものみちに降りる」
として紹介している。
また、ウェブにあまねく広がる知識の中から
一体何を学び高速道路を走るのか?
そして、「大渋滞」を抜けるための精神的な支えは
「好き」がポイントになるとしている。
そう、誰もが同じスタートに立てるならどれくらいそれに
「のめりこめるか」が、「大渋滞」を簡単に抜けられる人と
そうでない人の決定的な差となることを示している。
お金がなくても、食事がジャンクフードだけであっても
それさえ出来れば精神的には満たされるという「好き」が
あれば「大渋滞」の苦しみさえも感じないのかもしれない。
そして、「好き」を見つける方法として
「ロールモデル思考法」を紹介している。
これは梅田さん自身の体験から書かれているので
一度読んで、自分なりに解釈してみて欲しいと思います。
感想など
前作「ウェブ進化論」の自分のつたない書評を見て、
時の流れを感じました(汗)
そして書き方は別としても、想いは変わっていないとも感じました。
僕も梅田さんも、人類そのもの、そして作り出すものを含めて
善きものとして認識しているなぁと。
それは本書「ウェブ時代をゆく」を読んでも
変わることはありませんでした。
今回は人生観という部分が色濃いの内容です。
ウェブというインフラが自分が寝食を忘れるほどの「好き」を
追求しやすくし、そしてそれが仕事にまで高められる喜びを
見出すこと。それ自体は僕も強く共感できる部分です。
「好き」を中心として生きることが人生の柱となる。
そんな時代が、ついにやってきたのだ
という喜びに溢れているのが本書です。
それは、ウェブというインフラの前提を除くと本田 健さんのいう
「ライフワーク」の概念とかなり相似性があるなぁと感じます。
梅田さんご自身は意識しているのかどうかはわかりませんが。
興味深いのは、ウェブ、人間、仕事に対して楽観主義を唱える
梅田さんが、仕事は競争が主体となること、そしてお金は
あまり善きものではないという認識が感じられることです。
それは「けものみち」という表現や、グーグルのことを
語る時に色濃く現れていたと感じます。
個人的には「好き」を中心に据える生き方は、
「競争」よりも「協調」をもたらし、そして「豊かさ」を否定しない
生き方となっても良いのではないかと思いました。
ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか (ちくま新書 687)
梅田 望夫
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●ウェブ進化論
記事 ⇒ ウェブ進化論
●ライフワークで豊かに生きる(ウェブの有無に関わらず「好き」を中心に生きる)
記事 ⇒ ライフワークで豊かに生きる
ここまで読んでくれて、ありがとうございました。
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この本、個人的にはかなりツボでした。
まぁはてなや梅田さんのファンは多いですし、私が今さら言ってどう、ってことでもないですが(笑)。
「けものみち」と本田さんの共通点については、なるほど、ですね。
「そんなの無理だよ」と思わずにトライしてみたいものです。
僕も梅田さんのファンではないものの、結構ツボな本でした。「好き」を中心とした生き方、ウェブリテラシーの有無に関わらず実践していきましょう。