
副題は、「「できる人」の隠れたマインド&スキル」です。
本書、『コンサルタントの「質問力」』は、「質問する人の力量により
導かれる回答が全く違う」「質問する人によって、相手が敵にも味方にも
なる」ということを上手く示した本。多くのビジネスマンが抱える
「欲しい情報が得られない」という悩みも、この「質問力」が鍵と
なることがほとんどではないでしょうか?
コンサルタントでないアナタも「質問力」は必須科目ですぜ!
今日もクリック感謝です

目次
第1章
その道のプロは、「質問力」が命
第2章
「仮説力」がなければ話は始まらない
第3章
「本質力」こそ、こだわりの質問を生むエッセンス
第4章
「シナリオ力」で、質問の目的を達成する
概要と感想
■質問力がある人の6つの特徴
トップ営業の多くは聞き上手。
自分より自社よりも相手のことを考えるからこそ信頼が得られる
特に専門家相手には、仮説を使って相手が抱える問題点を
あぶりだすくらいの鋭さ・深さが必要。質問の深さで
質問者の計られている。
スポーツジムの優れたトレーナーは身長、体重、筋肉量、水分量
などの各部の数値(事実)から、細やかなトレーニングプラン、
そしてそれをするとどうなるか(全体像)を提案してくれる
住宅メーカーの営業は、個人や家族の情報などを、言いたく
ないことを開示させ、希望の予算どおりに落とし込んでいく
ことが必要。さらに、世間話からでもその家族のキーマンなど
の情報を読み取る力が必要
事実から感情を推測しなければならない場合がある
例えば、
(A)王様が亡くなった。その直ぐ後で、お后様も亡くなりました。
(B)王様が亡くなった。そして悲しみのあまりお后様も亡くなりました。
同じ事実でも、(A)のように話す人もいる。
そういう話からでも(B)を読み解く力が必要になる
普通の空気読み力より、さらに上を行くチカラ。
例えばホテルマンは、お客様に道を聞かれたり、水が欲しいと
いわれたら「負け」なのだ。良いソムリエは最高級のワインを
出すだけでは失格で、その人の今の状況にあったワインを出して
こそ一流といわれる。
■コンサルタントの「質問力」とは?
(1)仮説力
多くのデータを集めるだけではなく、そのデータから自分なりの
仮説を導くこと。ありきたりの質問では、ありきたりの答えしか
返ってこない。
(2)本質力
一言で物事の本質を言いあらわすチカラ。
「つまり」「要するに」というフレーズで相手を唸らせる。
「●●さんと話していると、不思議と問題点がはっきりする」
(3)シナリオ力
質問のプロセスをデザインするチカラ。
相手とうまくやりとりしながら、話がそれても必ず軌道修正し
結論まで導いていくことができる。
とまぁ結構さわりの部分だけ紹介しました。
僕も前職はSEということで、クライアントにいろいろと質問して
そこからシステムの提案や、改善点について資料を作成していました。
その時思ったのは、ただ「今の業務の問題は何ですか?」とか聞いても
まともな回答が無かったこと。やはり質問者の力量に比例して回答が
引き出されるなということを実感したものです。
相手との信頼関係の構築から始まり、自分が可能な範囲で相手の仕事や
競合他社の知識・事例を集めて、その上でこの会社のこの部署の問題は
こうに違いない!とか考えてあるのと、そうでないのでは雲泥の差が
あるのは、身にしみておりました。
今思うに、僕の周りの「できるSE」はみんな「質問力がある人の6つ
の特徴」のうち、どれかがぬきんでた人ばかりでした。ただ、信頼関係を
作るのが上手い人、本質を突くのが上手い人、雑談から情報を引き出すのが
上手い人などがいましたが、これらの能力を全て兼ね備えた人は
残念ながら見たことがありませんでした。
なので、本書に書いてあることは、まさに「そうそう、その通り」と
頷きまくってしまうことばかり。これら1つできるだけでかなり優秀な
部類のできる人になれると思います。必読書のひとつに指定します(汗)
ロジカルシンキングや傾聴・共感といったものを全て統合した
「質問力」の集大成がここにある、そんな本です。
![]() | コンサルタントの「質問力」 (PHPビジネス新書 52) 野口 吉昭 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() by G-Tools |